当研究室に設置しているサンゴ水槽に、更に仲間が増えました。
前回から更ににぎやかになりました。
今回追加された仲間は、下記の通りです。
コユビミドリイシ(Acropora digitifera) |
沖縄周辺のサンゴ礁に多く生息し、1998年のサンゴ大量白化現象で最も被害を受けたと言われている種です。そのため、このサンゴ種を用いた研究は、サンゴの白化現象の理解に直結します。
今後は、このサンゴに共生している褐虫藻のゲノム解読が期待されます。
私たちの研究室では、このサンゴに共生する褐虫藻をターゲットとし、光合成の観点からサンゴの白化現象の解明・対策を進めたいと考えています。
ハナバチミドリイシ(Acropra cytherea) |
コユビミドリイシの仲間で、サンゴの中のミドリイシサンゴ系のサンゴです。見た目はコユビミドリイシにそっくりですが、専門家の目により選別されました。
自然のサンゴ礁では、大きいものは3m以上の群体まで生長するそうです。
シライトイソギンチャク(Heteractis crispa) |
シライトイソギンチャク with カクレクマノミ |
言わずと知れたイソギンチャクの一種です。全体的に緑色(光合成藻類が共生しています)で、触手の先端は青色になっています。サンゴと同じ刺胞動物に分類されます。
前回導入したタマイタダキイソギンチャクは、最初は大きく見えたのですが、水槽内環境が合わなかったのか、群体から3個体に分離してしまったため、カクレクマノミとの共生関係が見られませんでした。
タマイタダキイソギンチャク(Entacmaea ramsayi)- 3個体の内の1つ |
しかし、シライトイソギンチャクは、カクレクマノミが入れるくらい大きいため、写真のような共生関係が見られます。
ニザダイ(Prionrus scalprum) |
水槽内に繁殖するコケ(ラン藻など)を食べてくれます。
また、このような種の一部は、サンゴのポリプ(サンゴにある穴から出ている花のようなサンゴ本体)を食べることもあるそうですが、サンゴの生育には大きく影響しないそうです。
イシヨウジ(Corythoichthys haematopterus) |
水槽内のコケや、植物プランクトンを食べます。
あまり積極的に泳ぎまわることはありませんが、岩の表面や底面を滑るように移動する姿は、なかなか愛嬌があります。
これらの生物以外にも、水槽内の岩(ライブブロック)の中にもともと住んでいた生物が、続々と出現してきましたので、興味のある方は、是非お越しになってください。