8月30日から9月2日
基生研で募集をかけていた、『体験入学』が始まりました。
当研究室には、岡山、茨城、東京方面より3人の応募者が来られました。
3人とも学部3回生で、これまでに研究に携わったことはないそうです。
今回の体験入学では、基生研の宿舎に数日間滞在し、希望した研究室において実際の研究生活を体験してもらいます。
当研究室では光合成研究を通して、
『学習』ではなく『研究』することの意味を学んでもらうことを目的として、実験と実験結果の考察を行ってもらいました。
まずは、
どのように光合成を測定するのかを学びます。
皆川教授と滝澤謙二研究員による蛍光測定の解説を聞き、いざ測定です。
自分たちが測定したい試料を探し、実際に測定します。
(*若い葉と老いた葉や、ピーマン、キュウリなどの実を測定しました!)
さらに、当研究室で扱っているモデル光合成生物クラミドモナスを用いた生化学的解析も行いました。
ここでは、光合成変異株の素性を明らかにする手法を学び、
未知の物を解明する行程を体験します。
得津隆太郎研究員が、細胞の破砕と内容物の精製方法を解説しつつ、実際に3人に手を動かしてもらいました。
ショ糖密度勾配超遠心法を利用した光化学系タンパク質の精製など、最先端の技術に触れ、3人とも緊張しつつも楽しく実験を進めています。
実験の待ち時間には、皆でコーヒーを飲みながら研究についての議論を交わします。
これも、大事な研究生活の一部ですね。
細胞の破砕とタンパク質の精製が完了したところで、大西紀和研究員の指導のもと、SDS-PAGE法によるタンパク質組成の確認を行いました。
慎重に試料調整とゲル作成を行い、電気泳動を開始します。泳動が完了したら染色を行い、タンパク質の組成を調べます。
以上のような、分光学的解析と生化学的解析を通して得られた結果をもとに、未知の試料の解明を試みます。
教授や研究員から手がかりをもらいつつ、基本的には自ら参考資料を探し、『研究のまとめ』に取り組んでいます。
3人とも真剣に夜遅くまで議論を交わしていました。
そして、最終日、今回の研究で明らかに出来たこと、出来なかった事をまとめ、発表してもらいました。
3人とも、非常に良い研究発表を行い、研究員一同驚かされました!
教授の質問・コメントにも熱が入ります。
これぞ、まさに研究!です。
たった3泊4日という短い期間でしたが、3人とも『研究』について具体的なイメージを持つ事が出来たようです。
今後、彼らがどのような研究に携わるかは分かりませんが、今回の体験を活かして、素晴らしい研究生活を送ってもらえれば、と思います。
体験入学生の皆さん、そして教授・研究員の皆さん、本当にお疲れさまでした!