2012年6月25日月曜日

ドイツ・Münster大学での共同研究(By 得津研究員)ーその③

6月25日


いよいよ、ドイツ滞在も最終週になりました。

この3週間、学会に始まり共同研究と続きましたが、本当にあっという間に終わりました。

この日誌だけでは、海外における研究の魅力を十分にお伝えする事ができていないかも知れませんが、とても良い経験を積めたと思っています。

今週も、気を抜かずに最後まで全力で実験を行いたいと思います!

今更ですが、こちらの実験室やその他イベントを紹介したいと思います。



☆研究室の内部について☆

Hippler研究室では、実験スペースと居室が同じ部屋にあるものの、完全に区切られています。

実験室の様子

というのも、写真の通り、完全にガラス窓などにより部屋の中に小部屋が存在する、といった方式になっているからです。

左の窓の奥がデスクワークスペース

そのため、実験室と居室の見通しが良く、全体的にとても明るいスペースになっています。

また、扉を閉めることにより、実験室内の機械音や雑談は遮断されるため、デスクワークスペースも非常に快適になっています。

*実験室にラジオが流れているのも良いですね!

一見、全て一緒の部屋に押込められているようで、きっちり分けられているので、とても機能的かつ見た目も良いです。



☆大学付近のイベント☆

先週は、大学の目の前の広場に、移動式遊園地がやってきていました。

残念ながら行く時間はありませんでしたが、昼から夜遅くまで、子供から老人まで多くの人々で賑わっていました。

夜12時になっても賑わっていた移動式遊園地

こちらでは、遊園地やサーカスなどは、『行く』というより『来る』という感覚らしいです。

年に数回と限られているので、街の人々は老若男女問わず、せっかく来ているのだから楽しもう!という感じでした。

これも、余裕のある生活で非常にうらやましいですね。



☆ドイツ(MünsterやBielefelt)で活躍されていう日本人研究者☆

先週は、Münster大学で植物を用いた研究を行っている橋本研志博士と、Bielefelt大学でボルボックスを用いた研究を行っている植木紀子博士とお会いすることができました。

お二人とも、ドイツで最先端の研究に従事しており、とても有意義なお話をしていただきました。

実際に海外で研究されている日本人研究者と会い、そして色々話をさせていただいたことで、とても刺激になりました。

また、英語とドイツ語だらけの日常に、安息の日本語環境を提供していただいたことに深く感謝致します。


どうもありがとうございました!



それでは、今回はこのあたりで。。。


By 得津







2012年6月19日火曜日

ドイツ・Münster大学での共同研究(By 得津研究員)ーその②

6月12ー17日


皆様、梅雨の時期ですが、いかがお過ごしでしょうか?

こちら、ドイツ・Münsterの天候は、ほとんど曇りか雨といった状況です。

これがMünsterの例年の天候らしいです。

INSTITUT FÜR BIOLOGIE UND BIOTECHNOLOGIE DER PFLANZEN



さて、Münsterに来てから1週間経過しました。

ただいま絶賛実験中です。

といっても、やはり他の研究室、更には海外ということで研究室の勝手も、言葉の勝手も違います。

海外では、それぞれの研究者(学生も含む)が独自の考えをしっかり持っています。

したがって、日本流(当研究室流?)の実験手法がすんなり受け入れられるとは限りません。


私(得津研究員)から見ても、手法、実験の組み立て方、実験ペース、果ては薬剤の取り扱い・測量と、かなりの部分に違いが見てとれました。

現在、こちらの研究室の学生と共同で実験していますが、楽しみつつも、今までのように常に一人で実験してきたのとは異なる状況に悪戦苦闘しています。

これも共同研究の醍醐味でもありますね。


あっという間で、残すところ1週間から10日。

このままで大丈夫か!?と、かなり焦っていますが、自分の手でどうにか出来る部分は限られているので、全力を尽くすのみです。。。

週末返上で単独実験した結果(光化学系タンパク質の精製)





実験の方は、上記の通りですが、以下は研究室の日常を記していきたいと思います。

☆昼食について☆
こちらでは、学生食堂(メンザ)もあるのですが、たまに学生がスーパーで買い出しを行い、研究室内でランチを作ることがあります。

左からKerstin、Leonardo、Anaさん(モッツァレラ入りサラダを作成中)
メンザの様子は、日本の学生食堂と同じですね。学生で賑わっています。

ちなみに、価格も日本とほぼ同じですが、量が1.5倍ほどあります。

試しにハンバーガー&フライドポテトを注文したところ、量が多過ぎて喋らずに最速で食べていたにも関わらず、Hippler教授を待たす結果となりました。。。無念。


☆Demitrisの送別BBQ☆
こちらの研究室でPDとして大活躍していたDemitris Petroutsos博士が、他の研究室に移る事になったため、金曜日に送別会BBQが開催されました。

BBQスタイルとしては、料理出来る人は何かを作って持ってきて、他の人は自分が食べたい肉と肉と、そして肉を持ち寄ります!(ソーセージも可)

焼き係のStefanと写真に写りにきたイタリアーノLeonardo

Demitris(中央の赤パーカー)に寄せ書きアルバムを渡すJanina(左)
*椅子に座る2人の子供はHippler教授の子供たち。右の女性はDenista。

肉にドイツビール(Münster産!!)で大盛り上がりです。

こちらは夜9時くらいまで、日が出ているのですが、おかまいなしにお日様のもとに大宴会でした。

Philippと盛り上がる私(得津研究員)
撮影者のDenistaは日本のカメラの撮影法が分からなかったのか、酔っていたのかブレブレでした

そんなこんなで、実験・実験・実験・ちょっと息抜き・実験・実験、というペースで進めています。

残り少ない期間ですが、良い成果を持って帰国出来るよう(帰国できないかも!?)頑張りたいと思います。




☆その他☆

残念ながら、Münsterの街並を見る余裕が無いため、街中の写真はありません。

でも、3つ気付いたことがあります。

ひとつは、ドイツの人々は異常にサッカーが好きであるということ。

現在、EURO2012の真っ最中なので、町中ドイツ国旗であふれています。

至る所でドイツ国旗を掲げた車や自転車が走り回っています。
私が滞在しているゲストハウスの前のレストラン・バーでも、皆でテレビ観戦しており、夜11時くらいまで大騒ぎです!!

実に熱狂的なサッカーファンが多い町(国?)ですね。



もうひとつは、野うさぎが非常に多いです。

至る所の芝生に野うさぎが居ます。

芝生でこちらを警戒している野うさぎ
Leonardo曰く、Münsterでは野うさぎが増え過ぎて、芝生やブッシュ(茂み)を荒らすので害獣とされているそうです。

うまく人と共存できると良いですね。


最後は、パンがどれも非常に美味しいということです。

通勤中に購入したクロワッサンなど


焼きたては当然として、冷めてもめちゃくちゃ美味しいので、ついつい食べてしまいます。

体調には気をつけないといけませんね。。。



それでは、この辺で。。。


By 得津



2012年6月11日月曜日

ドイツ・Münster大学での共同研究(By 得津研究員)ーその①

6月11日


ポツダムでのクラミドモナス会議も終わり、殆どの研究者は、それぞれの研究場所へと戻りました。

一方で、そのまま修行の旅に出る研究者もいます。

当研究室の得津研究員もその一人です。


ポツダムからベルリンへと移り、 Giovanni Finazzi博士とのディスカッションを終えた得津研究員は、これからMünster大学へと移動し、Michael Hippler教授研究室で共同研究を行う予定です。

ここからの更新は、得津研究員による近況報告を続けて行きたいと思います。


ベルリン中央駅正面

ベルリン中央駅(半?)全貌


まずは、ベルリン中央駅から、都市間高速列車(ICE)に乗ってMünsterへ向かいます。

乗り換えは、途中Hamm駅にて。

Hamm駅からは、地域列車に乗り換えMünsterへ

ICEの到着時間が遅れ、乗り換えギリギリでしたが、無事にMünster駅行きの電車に乗れました。

駅に着いた所、Hippler教授のもとで研究する博士課程学生のAnaさんが(日本車で!)迎えに来てくれていました。

無事に、ゲストハウスへと送ってもらい、いよいよ共同研究の始まりです。

学ぶ事が多いとは思いますが、Hippler研の学生たちに圧倒されないように頑張りたいと思います。


それでは、また簡単な近況を報告していくと思いますが、暖かい応援よろしくお願い致します。


By 得津研究員@University of Münster

University of Münser (シンボルの城)


2012年6月10日日曜日

Chlamy 2012

6月5―10日


ドイツのポツダムにて、Chlamy2012 (国際クラミドモナス会議)が開催されました。

国際クラミドモナス会議は、2年に一度、世界中のクラミドモナス研究者が一同に会する学会です。

研究分野は多岐に渡り、当研究室のように光合成の研究をしている研究者も居れば、鞭毛や雌雄接合、遺伝工学、水素発生などの研究者も参加します。

今回は、日本でも良くしられているポツダム宣言が採択された地、ポツダムにて行われました。

場所は、ポツダムの中心から少し離れた、会議用のホテルとなっており、国際クラミドモナス会議恒例の『都市部から外れた場所での缶詰』条件を満たしての開催となりました。





今回の会議では、当研究室の得津研究員が口頭発表に選ばれました。

第一セッション『Photosynthesis』で、2日目(初日は受付&Key Note Lectureのみ)に発表でした。

それでは、発表前日の得津研究員の様子をどうぞ。

ベルリンの街中にて...(東京大学・若林助教による撮影)

少し、不吉な雰囲気ですね。

でも大丈夫です。無事、発表も終わり大きなプレッシャーから解放されたようです。



クラミドモナス学会では、朝8時半から夜10時頃まで口頭発表・ポスター発表と続きます。

ポスターセッションの様子

口頭・ポスター発表ともに、自分たちの専門分野の研究者だけでなく、鞭毛やバイオ燃料分野の研究者も1つの会場に集まるため、多くの人で賑わいます。

これも、クラミドモナス会議の醍醐味ですね。



また、最新の発表(論文になる前の非公開研究)の多くあるため、学会期間中、多くの共同研究の発足も見られました。

私たちの研究室も、得津研究員の発表を聞いた複数の研究者との共同研究が始まりそうです。

もちろん、他の研究室の発表により、こちらから共同研究をもちかける例もあります。



5日間ですが、いつも通り、とても内容の濃い学会でした。

この後、得津研究員はドイツに残り、単身Münster大学にて共同研究を行う予定です。

そちらの情報も、今後紹介していきたいと思います(By 得津)。






2012年6月2日土曜日

日本光合成学会

6月1−2日

東京工業大学にて、第3回日本光合成学会が開催されました。

当研究室からは皆川教授、滝澤、大西、得津研究員が参加しました。

今大会では、『光合成と藻類バイオテクノロジー』および『植物とCO2』という2つのシンポジウムが行われました。

前者は、皆川教授がオーガナイザーを務めました。
 
また、滝澤研究員が光合成研究に欠かせないクロロフィル蛍光測定について、『LakeモデルとPuddleモデルに基づくクロロフィル蛍光指標』というポスター発表を行いました。
 

本大会では、昨年Nature誌に掲載された光化学系II複合体の結晶構造解析を行った研究チームに、初の学会特別賞が授与されました!


本年の植物生理学会でもお話した川上特任准教授を含めた4人の方々が受賞されました。

おめでとうございます!!