2012年7月27日金曜日

第2回 微細藻類若手研究会

7月26−27日


当研究室の大西研究員と、瀬戸内水研の紫加田博士が中心となり、今年も微細藻類若手研究会が開催されました。


今回で、2回目の開催となります。

昨年の第1回研究会に比べて、より多くの研究者が参加・発表してくださいました。

去年よりもずっと暑い岡崎でしたが、遠方よりお越しくださり、どうもありがとうございました。



今回の研究会では、前回の研究会後のアンケート結果をもとに、様々な環境で生育する微細藻類の研究を重点的に紹介・発表していただくことになりました。

具体的には、海洋性植物プランクトンや、藻類の系統・形態分類、サンゴなどの共生藻類に着目した研究を発表していただきました。




非常に興味深い研究ばかりで、多くの質問・議論が飛び交っていました。



また、今回はより自由なディスカッションをしていただけるように、コーヒーブレークや懇親会の時間を長めにとったことで、様々な場所で多くの議論が盛り上がっていました。




皆さん有意義な議論ができたようで、今後の共同研究を含めた研究の進展が期待できますね!

昨年に引き続き、今回の研究会も大成功に終わりました。

参加者・発表者の皆様、お疲れさまでした。そして、どうもありがとうございました。



また、今研究会の準備およびコーヒーブレイク・懇親会のセッティングをしていただいた、当研究室秘書の小島さん、光学解析室の市川さん、石川さんに、この場を借りてお礼申し上げます。

本当にありがとうございました!



2012年7月16日月曜日

研究成果論文が科学誌に受理されました!!(2012-01)

7月16日



当研究室の研究成果が、研究論文として科学誌のJournal of Biological Chemistry(JBC)誌に受理されました。

論文のタイトルおよび要旨は下記の通りです。


-Title-
Revisiting the supramolecular organization of photosystem II in Chlamydomonas reinhardtii

-Authors-
Ryutaro Tokutsu,  Nobuyasu Kato,  Khanh Huy Bui,  Takashi Ishikawa,  and Jun Minagawa

-Abstract-
Photosystem II (PSII) is a multiprotein complex that splits water and initiates electron transfer in photosynthesis. The central part of PSII, the PSII core, is surrounded by light-harvesting complex II proteins (LHCIIs). In higher plants, two or three LHCII trimers are seen on each side of the PSII core whereas only one is seen in the corresponding positions in Chlamydomonas reinhardtii, probably due to the absence of CP24, a minor monomeric LHCII. Here, we re-examined the supramolecular organization of the C. reinhardtii PSII-LHCII supercomplex by determining the effect of different solubilizing detergents. When we solubilized the thylakoid membranes with n-dodecyl-β-D-maltoside (β-DM) or n-dodecyl-α-D-maltoside (α-DM) and subjected them to gel-filtration, we observed a clear difference in molecular mass. The α-DM-solubilized PSII-LHCII supercomplex bound twice more LHCII than the β-DM-solubilized supercomplex and retained higher oxygen-evolving activity. Single-particle image analysis from electron micrographs of the α-DM-solubilized and negatively stained supercomplex revealed that the PSII-LHCII supercomplex had a novel supramolecular organization, with three LHCII trimers attached to each side of the core.



☆論文内容☆

本研究では、モデル光合成藻類のクラミドモナスから、光合成反応の中心装置である光化学系タンパク質の精製法を確立しました。

特に、地球上のほぼ全ての生き物に必須である酸素を生み出す装置、光化学系II(通称:PSII)に着目しています。

先行研究で用いられている精製法を再度見直し、様々な精製条件を試行錯誤したところ、これまでの研究では見られなかった、非常に安定かつ巨大なPSIIタンパク質超複合体を見つけました。

得られたタンパク質複合体には、水を分解して酸素を生み出すPSII中心部だけでなく、光合成の最も初期の反応である『光を集める』役割を持つ、集光アンテナタンパク質(通称:LHCII)が多く含まれている事がわかりました(PSII-LHCII 超複合体)。

また、電子顕微鏡観察を用いたタンパク質単粒子解析から、このPSII-LHCII 超複合体は、陸上植物を初めとして、これまでに確認されたことのない巨大な分子構造を持つことがわかりました(上図)。



☆生物学的意義☆

昨年、岡山大学および大阪市立大学のグループにより、1.9Åという高い解像度でPSII中心部のX線結晶構造解析の結果が報告されました。

上記報告では、原核光合成生物のシアノバクテリアからPSII中心部を精製・結晶化し、詳細なタンパク質構造解析を行うことで、酸素発生部位の分子構造が明らかになりました。

X線構造解析と比較して解像度は高くありませんが、本研究の単粒子解析からは酸素発生部位であるPSII中心部と、光を集めるLHCIIが結合している様子が捉えられました(下図)


さらに、陸上植物よりも生育が容易かつ大量に培養可能である緑藻クラミドモナスを用いることで、構造解析に必要な大量の試料を精製する事が可能になりました。

今後、本研究で得られたPSII-LHCII超複合体の結晶化・X線構造解析が進めば、陸上植物を主とした緑色(クロロフィルa/b型)の光合成生物において『LHCIIで集めた光をどのようにPSII中心部へと受け渡しているのか?』という疑問を解き明かす足がかりになることが期待されます。


2012年7月2日月曜日

ドイツ・Münster大学での共同研究(By 得津研究員)ーその④

7月1−2日


ついに、ドイツでの生活も終わりを迎えました。

もっと結果を出したかったのが本音ですが、やり抜いた感はあります。

後は、日本へ帰国して、基生研にて詰めの結果を出す次第です。



Münsterでは、Michael Hippler教授を初めとして、研究室のポスドク、学生全てが私を助けてくれたため、心から研究に没頭することができました。

お別れケーキパーティにて(MartinとRicardaとTill)


また、海外の研究室で海外の研究者と仕事をする、というとても貴重な体験をし、今後の研究人生に大きく影響すると思います。

本当にありがとうございました。


そして昨夜は、Münster最後の夜ということで、Hippler教授の家の夕食に招待されました。

奥さんと二人の子供に歓迎していただき、とても美味しい夕食をいただきました。

研究の話というよりは、ドイツの日常生活などの色々面白い話を聞くことができました。

また、子供たちもとても元気で色々と楽しませてくれました。

食後に庭先にてHippler一家とサッカーをする得津研究員
なんと、奥さんも参戦!!

更に、ここにきてドイツの方々のサッカー狂を再確認しました!

日頃の運動不足が祟ってか、息切れが激しかったものの、日本のサッカーレベルを見せつけれた(??)と思います。

短い間でしたが、本当にお世話になりました!




そんなこんなで、ついにドイツを離れる事になりました。

長かったようで、あっという間でした。

とても快適に研究生活を送れたと思います。

また、ここに来れる日を願っています。

それでは、また!

滞在していたGermania Campus




By 得津